続マーダーミステリーのテストプレイで見るべき5つのこと【元マダミス店長解説】

こんにちは、ケイです。
今回はマダミスのテストプレイで確認すべきことについて解説していきます。
約2年前にこんな記事を書きましたが、その続編にあたります。

自分は約3年間ほどマダミス専門店の店長として働いてきたので、その経験も踏まえて書いています。
・マダミス制作の気をつけるポイントがわからない方
・テストプレイで何を意識して見ればいいかわからない方
今回の内容について
今回フォーカスする内容は以下の5点です。
・ハンドアウト
・読み合わせ台本
・キャラビジュアル
・メインビジュアル
・キャラクター一覧

前回と一部かぶる部分はありますが、そこはより詳しく書いて行きます
ハンドアウト

HO(ハンドアウト)はマダミスを構成する要素の中で最も大切です。文章が読みやすいか否かでだいぶ体験価値が変わってきますからね。
揃え方
HOの文章は基本的に左揃えがおすすめです。理由は単純に見やすいからです。
ただ文章が短文の場合、もしくは行あたりの文字数をできるだけ揃えている場合は中央揃えでもOKです。
文章量
前回も触れましたが、文章量多い=体験価値UPではありません。文章量を多くすればするほど内容がプレイヤーに伝わる、と思ってる人もいますが大きな間違いです。
削れる箇所はできるだけ削って、伝えたい内容をできるだけ簡潔に伝えつつ、自分が譲りたくない表現は残すが理想です。

文章の取捨選択は自分ではわかりづらいポイントなので第3者に見てもらうのがおすすめ
行間
行間が詰まっている文章は読んでて疲れます。
初期設定をいじらなければよっぽど大丈夫ですが、HO枚数を減らすため行間をめちゃくちゃ狭くしてるシナリオもあったので、リリース前に一旦確認してください。
一文が長い
一文が長く、句読点が少ないとどこで文章が切れてるかわからないため、プレイヤーが誤読してしまう場合があります。
わかりやすい例が頭が赤い魚を食べる猫です。

頭が赤い魚を猫が食べているのか

頭が赤い猫が魚を食べているのか
このように読者の捉え方によって意味が異なってしまう文章は要注意です。
状況が読み込めない
HOを読み進めていくと「いつ、どこで、だれと、何をしている」のかがわからない場合があります。
特にいま誰と一緒にいるのかが省略されていて話が食い違う展開というのは結構ありました。
確かに誰と一緒にいたかを正確に書くと文章が冗長になってしまうのはわかります。
そういう場合は時系列(文章)の終わりに簡易的な時系列表をつけてあげるのがオススメです。
また作者の頭の中の情景を文章に落し込めていないパターンも多かったです。
例えば[殺害現場のドアが開いており、被害者は床に倒れていた]とだけ書いてあった場合、これはどういう状況なのでしょうか
- どちら向きに開いていたのか?
- 被害者は床のどこに倒れていたのか?
- 仰向けに倒れていたのか?うつ伏せに倒れていたのか?
カードで情報を補完したり、別紙で情報をまとめている場合は別ですが、HO内で完結させるなら細部までしっかりと書いてください。

推理動線やシナリオの根幹に関わらないなら詳細がなくてもいい場合もあります
ハンドアウトまとめ
何も小説家のように読ませる文章でなくてもいいので、読み手にとってストレスの少ない文章を書けるようになりたいですね。
人気マダミス作家さん達はそのあたりを意識されてると思うので、人気なマダミスをboothで購入して中身を見てみるのもおすすめです。

店舗向けシナリオ制作者だとKUMOKANAさん、SWANDIVEさん、コズミックミステリーさんあたりの文章が好きです。
ちなみに必要な情報だけを過不足なく文章にしたい人には、この本がおすすめです。自分も何回も読み直し意識してブログ書いてます(出来てるかは別として)
読み合わせ台本

マダミスをプレイする際、読み合わせを楽しいと思うプレイヤーは多いんじゃないでしょうか。
かくいう僕も読み合わせは好きなタイプです。
各キャラがのセリフがバチッと決まった時はかっこいいですからね。
漢字にふりがな
読みにくい漢字や人にとっては読み間違いしてしまう漢字には、フリガナか()で読みやすくしてあげた方がユーザーに親切です。

漢字が読めなくて詰まってしまうと興が削がれますからね。
色分けをして読みやすく
読み合わせの際、自分の読む分を見失いがちなので、どのキャラがどのセリフを読んでるかわかるように色分けしてあげるのもおすすめです。

各キャラに色がついてると、読み合わせ台本が全部カラー印刷になってめちゃくちゃ高くなるのが嫌だった
キャラ分けした読み合わせ台本
マダミス制作者であるyasuさんの『マーダーロワイヤル』をプレイした際、読み合わせ台本に力を入れていたので紹介させてもらいます。

デザインツールを使ってキャライラスト+吹き出しで作成されています。これなら自分のセリフを見失うこともないですし、何より見栄えがいいですよね。

労力がすごい、、、
ビジュアル
パッと目を引くビジュアルはシナリオをプレイさせたいと思わせる重要な要素です。「有償作品をもっとよくするためには」ということを念頭に少し厳しいことを書いています。
メインビジュアル

メインビジュアルは作品の顔、SNSで拡散されるか否かはここにかかっていると言っても過言ではありません。
テストプレイではなかなか言いにくいかもしれませんが、メインビジュアルがあまりよくない場合は指摘してあげた方がいいかなと思います。
マダミスはネタバレ禁止の性質上、ゲームの中身を見て購入することができません。ならどこを見るか?
そうメインビジュアルですね。
悲しいですが、メインビジュアルがしょぼいとプレイすらしてもらえません。
確かに内容が良ければ次第と口コミで広がっていくと思いますが、SNSでの拡散力を期待するのであればメインビジュアルは手を抜かない方がいいでしょう。

いやでもイラスト外注は金かかるし、AIイラストはよくわからんし無理だ
という気持ちもよくわかります。
そんな時は[いい感じの写真]+シナリオ名の構図が簡単かつオシャレに見えるのでおすすめです。
この形で一番いいと思うのはSWANDIVEさんのビジュアルです。基本的には写真+シナリオ名でオシャレに仕上がっています。


画像に文字を配置するだけなのでパワーポイントでも作れると思いますが、自分はデザインツールのCanvaをおすすめします。
canva

canvaの詳しい説明は省きますが、特徴はこんな感じです。会員登録をすれば無料で使えるので気になる方はぜひ。
・基本無料
・フリーで使えてオシャレな画像が多い
・豊富なフォント
・Photoshopよりも操作が簡単
キャラビジュアル

メインビジュアルと同様に見栄えがよければプラスに働きますが、下手なイラストならない方がいい場合もあります。
イラストを見た時に「このキャラでプレイしたい」と思えるようなイラストならいいですね。
例えばNAGAKUTSUで公演している『LH2-命の歯車-』なんかはキャラビジュアルも良くてそそられます。

あくまで有償公演や有償作品としてリリースするものをもっとよくするには?という考えで話しています。
「下手だとしても自分で描いたイラストを使いたい」「友人に書いてもらったイラストを使いたい」という場合はそれでもOKです。
キャラクター一覧

HOの最後に挿入されることが多いキャラクター一覧、できれば各キャラ紹介文に書かれている情報について順番を揃えて欲しいです。
①30歳男性、都内で不動産を経営している。被害者の○○とは趣味のサッカーで知り合った。
②被害者○○の彼女、25歳女性、都内でOLをしている。スイーツには目がない。
このようにキャラごとで情報の順番がチグハグだと気持ち悪くなります。
あとできれば1枚に収めてください。
オンライン作品ならスクロールするだけなので、いいかなとも思いますが、オフライン用や店舗公演だとその分、紙の枚数が増えてかさばってしまいます。
面白いマダミスを作るにはどうすればいい?
今回の記事も前回の記事と同様に「面白いマーダーミステリー」を作るためにテストプレイで見るべきポイントというよりは、プレイヤーの体験価値を下げないように気をつけるポイントを書いてます。
体験価値を上げる工夫や面白いマダミスを作るためのゲームデザイン的な話は中村誠さんがnoteで紹介してるので、そちらをぜひご覧ください。
おわりに
マダミスのテストプレイで見るべきポイントについて書きました。僕も何作品か作っていますが、ここで書いたことの全てを実行できているわけではありません。
ただ当記事を意識して作成すれば、ユーザーのストレスをだいぶ取り除くことができます。

実際に店舗でシナリオを採用する時にも同じポイントを見ていたので、少しでもマーダーミステリーを作ってる方の参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
記事の内容が間違っている、自分の考えと違うと思った方はぜひご連絡いただけると嬉しいです。貴重なご意見お待ちしています。
以上、ケイでした。
元マダミス店長が解説するマダミスのテストプレイで確認すべき7つのポイント